Airy*Mint

　以前歯科医にかかったのはいつの事だったかのう、と言う歯医者嫌いですが、去年の暮れ辺りから一気にあちこち不具合の出た歯を、ようよう重い腰を上げて治療して貰う事にしました。
　寒さが和らいだら行こうと誓っていたのに、地震、停電、と足を引っ張られているうち、差し歯は抜けブリッジは取れ、もう四の五の言ってられない。

　数年前からサイトを見て、この先生なら任せられるかも、と思っていた歯科医院にメールで問い合わせると、歯医者は歯の状態が悪い人が来る所、気にせずいらっしゃい、と暖かいエールを貰ったのが決定打になりました。

　診察室はきっちり仕切られた半個室状態、椅子が非常に落ち着いた座り心地で、心配した嘔吐反射も全く起こらずに最後まで大人しく座っていられました。すげー、暫く見ない間に歯医者さんってこんなにレベルupしてたのか！と思ったら、ここは特別、心理学の観点からも気を遣ったユニットを揃えているそうです。

　他にも治療歯がたくさんあるので長丁場になりそうだけど、気合い入れて頑張ろう＜自分。

　数年来、このメーカーのこれと決めて使っていた食器洗い用のスポンジが、随分前からどこの店にも置かれないようになったので困っていました。
　レックの激落ちスポンジ02番がそれなんですが、他の番号のを扱っている店でもこれはナシ。
　仕方なく他メーカーの物を幾つか試しましたけど、どれもこー手にしっくり来なくて。

　やっとのこと通販サイトで売られているのを見つけたので、このご時世だけどまとめ買い…スポンジだし、良いよね？
　で。あと少し買えば送料無料になるってんで、カテゴリ毎に目を皿で探すこと小１時間。サプリや猫餌、ハブラシなど、確実に使う品を数点足して、フォームを送信する頃にはもー、目的のスポンジも諦めて買うのをやめるか、ほどクタクタに。ホント通販苦手。

　このところの交通事情もあってか日にち指定が出来ないそうですが、まあ事前にメールが来るでしょうから指折り数えてのんびりお待ちします。

　若干2歳にして家の中では誰憚ること無く跋扈し、怖い物ナシかと思っていた豆猫に、意外な弱点があることを最近になって発見しました。
　どうやら彼女、地震が怖くてたまらない様子。
　家のどこかから「みし」とか「ぎし」とか奇妙な音が聞こえたり、ガラスがカタカタ音を立てるのが恐怖心を煽るらしく、居ても立ってもいられない風情です。

　今日ものんびりと上に乗って日向ぼっこを満喫していた亀の水槽から急いで飛び降り、それを見て地震が来ると気付きました。もしや高性能感知器？
　雌というカテゴリから大きく外れた漢っぷり、怒られてもへの河童な度胸はどこへやら。思わぬ事で悪タレの急所を知ることとなりました。

　このひと月以上毎日揺れているんだから、猫もヒトもそろそろ慣れそうなもんですが、警報で「来る」と構える分、ヒトは逆に過敏になったかもしれません。
　初期の地震酔いっぽいのは収まったけれど、時折何も無い所でふらついたり。未だ続く余震(あの大きさで余震はどうかと思うけど)にちいと平衡感覚がへたったかな？

　本を持ち込んで1時間以上も浴槽を占拠し時に居眠りも、の長っ風呂はひと月休止でした。
　休んだ理由はいくつかあれど、1番の理由はやはり、入浴中に大きいのが来たらイヤだから。
　いや、恥ずかしいなんて乙女ちっくな感情でナシに、慌てて飛び出てうっかり人目に晒すような事になっちゃ目の毒気の毒ご迷惑だし(笑)。

　昨日は何を根拠にかもうそろそろ大丈夫だろうと思い込み、家族の帰宅前に浴槽掃除を兼ねた入浴をすべく追い炊きし、沸きあがる前に待ちきれず浴室へ行き、ドア開放で豆猫をはべらしたまま浴槽に浸かって気が緩んだ頃、何故か一つ方をじっと見つめて固まる豆猫に、何見てるの？と問いかけた途端ゆさゆさが始まりました。

　へぇ～、凄い！ヒトよりずっと早く感知したんだ、なんて落ち着いていたのは最初だけ。収まる様子もなく浴槽の湯がタプタプとするに至ってバスタオルに手を伸ばし、グルッと巻き付けて浴室を出、TVをつけたり火の元やPCや携帯を確認したり。アラレもない姿であっちこっちへウロウロしました。ほぉらね、一人の時で良かった～。余震が収まってから冷えた体を暖めに戻りましたが、もうゆっくり浸かる気分にはなれず早々に退散。

　案の定湯冷めをしたか、夜になって悪寒と頭痛と食欲不振。夕飯の支度だけして食べずに横になったところへまたもやグラグラ来ましたが、起き上がるのも面倒で開き直ってそのまま寝ちゃいました。震源地だったらこんな呑気は言ってられないだろうけど。

　ポンキッキーズで「歩いて帰ろう」(1994年6月1日リリースだって｡｡｡ほぼふた昔前！)を聞いて以来、イイな、と思っていた歌うたいさんが、今回の原発事故に対して大方の人が(東日本では特にそうだろう)胸の奥に抱え込んでいたブスブスと燻った気持ちを、自分の楽曲に乗せて弾き語った替え歌がネット上で評判になったのは数日前のことでした。

　upされる都度モグラ叩きのように消されたので、見られなくなる前にとDLして、帰宅した同居人氏と一緒になって彼の勇気に感じ入ることしきり。有名人としてのスタンスを考えたらなかなか出来る事じゃないと思います。

　ところが、続いて帰宅した同居Guyにも見せたところ、すっと顔がくもってしまうんです。そっか。小さい子を相手にする事の多い彼にしてみたら、小気味良いなどと笑っている場合じゃ無いんだろう、と気付かされました。

　思えば散々享受するだけ享受して、潤沢な(と思い込んだ)エネルギーを使い放題使って、ロクに反対もせぬままバブルだネオンだと浮かれていた世代が、事が起きたらそれみろでは、将来の人たちに何と申し訳すれば良いのだろうかと。
　
　歴史の教科書を読む度、この時代の人たちは何故こうなる前に何か手だてを打たなかったのだろう、と不思議に思い、また軽く蔑視もしましたが、今まさに、歴史上の愚鈍な世代の仲間入りをした気分です。誰かのせいにすれば解決する、筈はないのに。