Airy*Mint

　数日前に手をつけ初めた八重桜の剪定、高枝切り鋏に付属のペニョペニョと薄っぺらな鋸で5～6cm以上に成長した幹をを切るのは大仕事なので、枝を指定して同居人氏に続きを任せる事にしました。
　桜切る馬鹿と謗られたって、お隣の外壁や雨樋に何かあってからでは心苦しい。ベランダと庭から枝ぶりを見極め、外に張り出した部分を思い切ってゴリゴリ。

　切り落とされた幹を拾い、小枝を払ってゴミ袋にギュウギュウと詰め込み、ついでなので調子に乗って絡みついていた蔓薔薇を取り外し、薔薇アーチに戻して一件落着。
　本日の被害は、未熟な梅の実1個、ミョウガの茎1本、人喰いの気があるMy鋸が同居Guyに付けた切り傷と、最後まで抵抗した生木に引っかけた中指の小さな切り傷。
　見上げれば頭の上にポッカリ空。ちったあ日当たりが良くなるかな？

　あれからもう一年。叔父の一周忌法要でした。
　親戚の僧侶があげる朗々とした読経の声を聞きながら、まっ青な空にぽこぽこと浮かぶ雲を見上げているうち、不謹慎にもついうっかり楽しい事をしているような気分になってしまいそうな。実に良い法要でした。
　「普段の行いが良いから」と誰かが言うと思ったけど、なぁに、一番言いそうなのは法要されるご当人だ。

　気持ちの良い読経に耳を傾けている最中、通路の端から現れた高齢の男女が帽子を取ってぺこりと頭を下げながら並んだ親族の間を通って行きました。
　どうも参るべき目的の墓が判らずに迷っているようなのでそっと目で追うと、数分後、迷いながら辿り着いた二列ほど向こうの墓石の前で、反対方向から来た数人と合流し、目指すお墓を見付けて喜んでいる様子なので他人事ながら安堵してたんですが｡｡｡
　中のどなたかが持参したラジカセから、大音量で何やら演歌チックな音楽を流し始めたのにはびっくり。挙げ句先ほど前を通って行ったお婆さんが今にも歌い出しそうな素振りをしているのを目にして、罰当たりな事に可笑しさを堪えるのに苦労しました。
　
　墓の主が好きだった曲なんでしょうけど趣味が悪い。どうせ曲を流すならロックかヘビメタ、せいぜいクラシックを、と心から願ってしまいました。何にせよ、身内とはいえ僧侶の読経を神妙に聞かなくちゃダメだろ？＞自分、と戒めつつ。

　明日明後日と予定が入っているので、今日のうちに済ませたい買い物をするために、久し振りに電車に乗って出掛けてきました。
　往路はガランと空いていて持参した本を読む余裕もあったんですが、服を買い手芸品を買い雑貨を買いと店をハシゴするうち、気付いたら時刻は夕方。
　あー失敗。帰りの電車はそこそこの混雑です。

　混んだ電車でも乗らなきゃ帰れないし、もう一つの選択肢であるバスは、常時渋滞の道を通るために倍以上の時間がかかる｡｡｡丹田に力を入れて覚悟を決め、降りる改札口を選り好みせず、並んでいる人が一番少ない列を見極めて乗車しました。

　ほんの少しの時間の長かったこと。電車にバスに映画館や道路の渋滞、密閉された人の多い空間は恐怖の対象です。匂いと音と声とが混然と混じり合うChaos。
　1時間強の通学、同じほどの通勤、幼いGuyらを連れての移動、その辺りまではどうって気にした事もなかったのに、この数年ですっかり「無理！」な体質になり、酷い時には各駅で降りてはまた乗る、で目的地に到達する事もしばしば。
　電車好きの電車苦手、克服出来たら行きたい所は山ほどあるのになぁ。

　写真はハーブポットで茂るフィーバーフューとセントジョーンズワート。
「偏頭痛に効く」「生食出来ます」売り場にあったフィーバーフューに添えられていたプレートを鵜呑みにして、買って来た日にちょびっとちぎって食べたところ、言葉も出ない苦さに悶絶しました。お茶にしても苦いんだって｡｡｡凹。

　花もすっかり終わったし、風は季節外れに冷たいけれど晴れだし、少し前から気になっていた八重桜の枝を落としました。とりあえず風に揺すられてお隣の外壁に悪さをしそうな一本のみだけど。後は日曜にでも。
　確かに猫額庭に八重桜を植えたのは浅はかだった気もするけれど、元々は隣家に障りない、広く開いた場所を選んで植えたつもりだったんだが｡｡｡

　転居した際は南側の家が敷地の西半分に重なって建っていたので、南東側半分は良く日の当たる広い空間。設計もそれを考慮に入れて庭を広く取った家を建てたんですが、数年前に南側の家の持ち主が替わり、建て替えの際にべったりと我が家を塞ぐ位置に移動。目の前に先方のこちらを向いたキッチンの大きな窓、って状況に、慌てて目隠しのラティスを巡らしたんですが、建て込んだここら辺りでは普通の事とはいえ閉塞感満載です。

　同居人氏の友人の母堂は、隣近所が建て込んでくるとさっさと家を売り、ついには随分田舎の方に引っ越されたという、趣旨は違うが孟母三遷の方。ベランダで目を閉じて日光と風を感じていると、どこか地方の穏やかな時間が流れる所で、広い土地に小さな家を建て、猫犬三昧、自給自足の畑と山羊と鶏に囲まれた暮らしも良いだろうな、と妄想。仕事を筆頭に生活ベースをおいそれと動かせない現状ではとても真似出来ない荒技だけど。

　日常をつぶやくなどという時間は絶対に持てないだろうと暫く敬遠し続けていたTwitter、始めてみたらなかなかの楽しさに嵌りました。
　ほんの短い言葉の中に、つぶやいた人それぞれの思いが垣間見えたり見えなかったり。希薄で緩いけれど妙に濃厚感のある繋がりを結んだりほどいたり。強制力の無い回覧板だったり伝言ゲームだったり。

　140文字の人間性と言うには大仰だけれど、他人の言葉を流用して自分のつぶやきにしてしまう人、他人の辛さに寄り添って真っ向から吠える人、小さな声で遠慮がちに救いを求める人、淡々と今の出来事を綴り続ける人、凄い状況を笑いにしてさらっと語る人、etc。

　大勢の人たちがうごめきながら今、このモニタの向こう側に居る実感は、大好きな、群衆の中の圧倒的な孤独感にも似ている気がして素敵。