Airy*Mint

　雨でベランダに出られない猫らは、家中あちこちの窓から外を眺めて無聊を慰めているようです。
　中でも庭が一望できる＆暖かいファンヒーターの上は2匹して取り合いするほどお気に入り。
　たま～には2匹並んで仲良く座っている事もあるけれど、大抵は小にゃんを追い出した豆猫がこんな風に陣取ってお外の監視。

　まだ勢い良く緑を茂らせるカルミアの葉に、八重桜の枝から落下した大きな水滴がポトンと落ちる度、「にゃにゃっ」とか「カ・カカ」とか声を上げて、尻尾をバタバタ振り回してます。
　虫か鳥が飛び回って葉を揺らしていると思っているのかな。

　年の暮れ恒例の「大掃除特集」なんつーのが連日どこかしらのTV局でやっているのを見せられると、特にどこをどうする予定も無かったけれど世間並みに精を出さなきゃいけないような気がしてきちゃいました。滅。
　見ないフリをちょいと解除して良く見ると、「あ。ここ」「わ、あっちも」な感じだもんだから、掃除用具を持った手が止まりゃしない。隙間、裏側、何が出るかと戦々恐々です。
　何であれ「元生き物だったモノ」はありませんよーに、と軽くお祈りしながら退かせる物は退かして掃除。来週の水曜日辺りは強烈な寒波が来るらしいので、それまでに終わらせようと目論んでますが｡｡｡
　埃まみれのぐたっとした物体をオソルオソル引きずり出してみれば猫の玩具。猫ら、頼むから家具の後ろに玩具を持ち込まないでください。心臓に悪いよ。

　PC前で前後から猫に貼り付かれての作業中、表からポ～ピ～、ポ～ピ～、と音が聞こえました。そう言えば少し前から聞こえていたような気もするけど…。
　ん？ト～～フィ～？あれ？お豆腐屋さんかなぁ。
　ご近所の誰かが楽器で真似しているのでなければ、例の懐かしいラッパの音のようです。珍しい。前に聞いてから随分経っているんじゃないかしら。

　前の家に転居したての頃は、豆腐屋のお爺ちゃんが自転車の後ろに大きな箱を乗せて、ラッパを鳴らしながら夕方来てくれてましたが、数年経つと姿が見えなくなってそれっきり。この家に暮らしだしてからはとんと耳にする機会がなかったし、豆腐は今ではスーパーで買う物の定番になっているし。ん十年のレベルで耳にしたのだけは確かです。

　にしても時刻は午後2:30。ご近所の奥さんたちはあらかたどこかにお勤めでお家には居ないだろうに…売れるだろうかと他人事ながらちょっと気になりました。
　
　夕方の子ども番組なんかを見ながら夕飯が出来上がるのを心待ちにしている時間にあのラッパが聞こえて来ると、手際よく渡されたボウルと小銭を持って勝手口から走り出し、近所のおばさんやら子どもたちに混じり、日によってお豆腐や油揚げや納豆なんかを買って、帰りはお豆腐を壊さないように両手でボウルを抱え、家までゆっくり歩いて帰ったものです。
　一連のシーンがそっくりそのまま絵のように目に浮かぶのは、ト～～フィ～の魔力？

　階段掃除のあいだ中、豆猫に付きまとわれて難儀しました。フローリングワイパーの動きにつれて右へ左へ上へ下へ。抱きつくわかじるわ爪を立てて取れなくなるわ｡｡｡エラく非効率。昨日の今日で文句言うのもナンですが。
　天井と壁の高い所は、長～い園芸用の支柱の先にハンディワイパーを止め付けたので埃取り。コレは猫らにとっては何だか怖いモノらしく、手にした途端、掃除機をかける時と同じくらい勢い良く逃げて行くので、たま～にしか持ち出さないようにしています＜実はマメにやらない言い訳。一度も脅かした事なんてないのになぁ。
　殺風景な階段の壁に飾った絵画の写真がすっかりセピアに色褪せていたので、サイズを以前の半分ほどに縮小印刷して貼り替えたらコンパクトなギャラリーの出来上がり。朝日の差し込むこの壁、結構気に入っています。

　玄関を入った右手にあるキッチンとの仕切り壁に、w40cm×h70cmほどの窓があります。
　家人が帰って来た時にキッチンに立っていてもその場からお帰りが言えるし、直接お土産を手渡して貰うことも出来る優れもの。キッチン側に開くガラス戸で、はめ込み式のルーバーを玄関側にセットすれば、訪問者からはキッチンが見えなくなる仕掛けです。

　最下端が玄関側からは肩の、キッチン側からは肘の高さにあるその窓、夏場はキッチンの風抜きのためずっと解放していたせいで、いつの間にか猫らの通路、という役目も担うようになりました。うーん、中はキッチン、外は玄関なのに、良いのか？それって。

　さっきふと見るとポツポツと油のハネが目に付いたので、キッチン側からバタンと閉め、薄めたオレンジXをスプレーしてキュッキュと磨いていたんですが、その鼻先に小にゃんが玄関側から飛び付いてごっつんとガラスにぶつかってました｡｡｡
　夏の間いつも開いていた窓が、閉まる物だったのを忘れちゃったのかしら｡｡｡それともあんまり綺麗に磨かれて、ガラスがあるのに気付かなかったって事で良いかい？

　開けてやったらちょびっと解せないような顔をしながらキッチン側に降り、すかさず窓の高さの台に飛び乗って窓拭きをじっと見てたんですが、暫くするとそこへ今度は豆猫が玄関側から参上。ガラスを挟んで両方からお互いの姿をしげしげと見合ってました。
　何をするにも付きまとわれて、倍ほど時間がかかると腹の立つ事もあるけれど、こんな愉快なシーンを見せられては不平も吹っ飛んじゃいます。あ～楽しい窓ふきだった♪