2011,07,06, Wednesday
東北訛りの強い駄菓子屋のお婆ちゃんの店に、花火を買いに行くのが夏のささやかな楽しみでした。
少し明るさの残る店の前の道路にはやんちゃ坊主が数人、早くもネズミ花火に火をつけてシュルシュルと回し、足元に寄って来られた子が慌てて逃げる。 店がある女学校前の道路が、車道と言っても殆ど車通りの無い裏道だからこその賑わいです。 男子らをかいくぐって狭い店内に入り、これを1本、こっちのを1本、と考え考え手に持った軍資金内で選び、持ち帰って夕飯後にちょっとだけの贅沢。 三丁目の夕日に見覚えのある子ども時代なので、消えて無くなる物を奮発するほどには、まだまだどこのお家も豊かではなかったような気がします。 このところの蒸し暑さに、花火で暑気払いでもするか、とスーパーに売られている安価な特大袋入り花火を手にとって見ていたんですが、考えてみたら建て込んだこの辺りでは花火を楽しむ場所が無いと気づいて棚に戻しました。 なんだかね、あの頃と今と、どっちが贅沢なのやら。
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