Airy*Mint

　「出た！ぶんぶん飛び回ってる！」数日前、深夜のW杯観戦のためにそろそろ仮眠、と支度を済ませた所へ、憂鬱そうにやってきた同居Guyが告げました。
　そうか、ついに出たか｡｡｡出没しない確信を持てるほど掃除を徹底していると豪語するつもりは毛頭無いし、ホイホイも殺虫剤も使わないとなればさもありなん。そんな季節になったんだねぇ(ぉぃ！)。

　家ではティッシュを持って生け捕りにし、そのまま外へ捨てに行く役目は何故か唯一の女性(です。多分)である自分の役目。そこんとこに今更異議を唱える気はないけど、なんせ横になる一歩手前。「ぶんぶん飛び回ってる」そいつと追っかけっこして、これ以上仮眠時間を減らすのは御免被ると丁重にお断りし、明日カタを付けるから、とそのまま就寝。

　夜中に起きてリビングで同居人氏と観戦中も、何度か落ち着かなく天井を見上げては黒い姿を探したんですが、猫に追い回されてどこかの隙間に隠れたか、有り難いことに姿を見せることもなく、そのうち試合の方にすっかり没頭して存在を忘れました。

　朝。ころんと何かが転がっているのを同居人氏が見付け、指差す先を見るとそこに、丸々としたカナブンが一匹。猫にさんざ遊ばれたらしく青息吐息になってましたが、触ってみるとまだ息が(？)ある。急いで庭にお連れしてブルーベリーの葉の上に置いたら、あっという間に正気を取り戻してぶーんと音高く飛び立って行かれました。

　ん？待てよ？昨夜の訪問者はこいつじゃないの？Gのあの薄い羽では音なんて出ないだろうし、器用に方向転換も出来ないのだから飛び回るなんて芸当は無理。
　はは～ん、さては幽霊の正体見たり枯れ尾花、ってやつか。半強制的に自分を納得させているきらいが無くもないが、一応一件落着ってことで♪