2013,07,11, Thursday
久々に顰蹙モノの虫バナシを。
黒蝿やイエバエを可愛いとは如何せん思わないけれど、金属的な光沢のある種類の蠅は綺麗だよね?と先日同居人氏に振って、見事に否定されましたけど。数日前、まさにその緑色に輝く小さな蠅が一匹、寝室に迷い込んで来て、あろうことか本を持った私の左手の親指にぴとっと止まってまったりし始めました。 長い口吻(で良いのかな?)を伸ばして爪の近くを味見(なのか?)して、ページを捲ろうと指を動かしても飛び去る気配も無いのです。こりゃぁ懐かれたか?それとも手が汚れていて美味しいのか?半分眠りの世界に入っていたので、嫌悪感も無く見るともなく見るうち、就寝。眠くて感覚が麻痺していたとはいえ、読書灯の光にキラキラと輝くそれは、決して汚物にたかる生き物とは思えない美しさでした。 まだ少し暗さの残る明け方、少し早いけれど目が覚めたついでに起き上がった寝具の左方向、昨年発生した猫蚤の再発を恐れて確認用に置いてある、蚤用ホイホイに頭を突っ込んで儚くなっている件の蠅の姿がありました。うゎ、可哀想。 緑に輝いていた体の光は褪せて、ただの黒っぽい艶を持つ蠅となり、既に動く様子も無いのですが、急ぎマイナスドライバーで糊面から離し、窓を開けて庭へ。昨夜の経緯で、ゴミ箱に捨てるのは胸が傷んだのです。涙ぐみながら起きてきた家人らに話すと、慰めてはくれたものの、何とも複雑な表情をされました。イヤ、自分でも判ってるって。 確かに造形の美しさに惹かれて、大抵の虫はどちらかと言えば「好き」の部類なのです。蠅でも蜂でも迷い込んだ生き物は、殺虫なんかせずに筒で捕って外に逃がすことにしているのです。確かに昨夜の闖入者は、ある種の甲虫にも似たステキな輝きを持っていたのです。でも、だからと言って、蠅まで可愛いと思っちゃイカン!多分。 |