Airy*Mint

　待ちに待ったお日様に誘われ、咲いている場所を確認したきり雨に降られて撮り損なった忍冬が枯れてしまわぬうちに、とカメラ担いで近所の散策に出ました。
　何回かシャッターを切り、画像確認で液晶画面に目をやると、「デモモード」の表示。はぃ？｡｡｡
　ナンと！記録メディア入れ忘れてました(恥)。家にとって返してカードをセットし、再度挑戦。

　忍冬の後はその辺りの花を片っ端からカメラに収めて満足した癖に、そう言えばもう一本向こうの道の先に、数日前ブラシの木が満開だったのを思い出したので、欲張って撮してこようと賃貸菜園の間の抜け道を通って行ってみました。

　見慣れたのから名も知らぬのまで、辺りは一面の花盛り。姿を見せずに羽音だけで存在を主張する虫たち。きりっと暑い日光と裏腹に涼しい北風は、歩くうちに少々汗ばんだ体に心地よく感じられ、120%幸せな気分で細い通路を通過。

　もうすぐ抜け道が終わる手前で見付けた柿の実の赤ちゃんを、今まさに撮そうと伸び上がった所へ突然後ろから声がかかり、振り返った先にはこちらよりちょっとだけお兄さん的おじさんの姿。地元言葉がちょっと難しいけど、笑顔で何か話しかけているらし。

　さっき撮った花の名前とか、今撮ろうとしていた柿の品種とか、じゃが芋の品種による花の違いとか。その後も初めて会ったとは思えない程親しく話し込み、この地域の昔の様子とか、果ては自分の家の内情まで、時々そこらの草取りなんかしながら楽しそうに話されるので、こちらも笑いながら聞いてましたけど…そんな事まで聞いて良かったのか？

　なんだかね、仙人みたいな、福の神みたいな風格があるおじさんでした。
　ありがとう、色々勉強になりました。と立ち去ろうとした背中に「綺麗に焼き増しして下さい」のひと言。あー。デジタルだから焼き増しは…しないかも♪
　今度またこの辺りで出逢えたら、プリントした写真、お礼にお渡ししようと思っています。