原始的な畏怖
黒法師 先日買い物のおまけでちょろっと辺りを歩き回った際、幾つかの場所で興味を惹かれました。石碑に刻まれた万葉の歌に詠まれているという崖、だとか、トロッコがある(あった?未確認)らしい鉱物採掘の会社とか。
 後で調べたら近くには史跡が散在し、ハイキングコースも数ルートあるらしいのを知って、事前調査してから行くんだった、と軽く臍噛んでます。

 今回廻った中で深く印象に残ったのは、小さな明神様。鬱蒼とした雑木と藪に囲まれた鳥居の先、雷にあったか皮だけ残して洞になった大木の根方に並んだ古い祠が二つ。
 細い道の途中、ふと見かけて思わず奥に入っちゃいましたが、不敬と言うほど軽々に思う気はないものの信心篤いとは到底言えない自分ですら、そこにある何か異質なモノの気配を感じ、足を踏み入れてはいけない場所に入っちゃったなーと踵を返したくなりました。

 辺りは良く晴れて爽やかな風も強めに吹いているのに、中に入るとしーーーんと静まり、聞こえるのは自分たちの足音や話し声と、たまーにどこか高い所で鳴いている鳥の声だけ。祠の裏手は更に暗く、杣道とも獣道ともつかぬ細い道が山へと続き、山の神様とか天狗とかが今にも現れるんじゃないかって気配です。
 風が抜けないせいもあってじっとりとヤーな汗を感じながら、兎にも角にも祠の前に立ち、軽々と立ち入った事を詫びるように頭を下げてから足早に立ち去りました。

 傍目から見ればもう少し手を入れたら、とも思ったんですが、古来神は畏れる対象、となると、人々にワイワイ踏み込まれて初詣だ祭りだと騒がれるよりは、畏れて人が立ち入らない方が聖域を侵され難く、神さま的には好都合なのかもしれないな。
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| ワタクシゴト::日々のあれこれ | 05:38 PM | comments (0) | trackback (0) |
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