Airy*Mint

　一旦去りかけた夏が暫し舞い戻ってくれたお陰で、こしらえた夏服をシーズン中に着ることが出来ました。
　尤もこの暑さ、こちらに向かっている台風に追いやられてしまうらしく、この後は秋の長雨が続くとのこと。
　長く続いた梅雨、気温の上がらない短い夏、あちらこちら揺らいだ地震｡｡｡まさに天人相関説。
　マツリゴトしっかりやってくださいましな。

　さてさて。今回の服作りでは生地を新調する事無く、箱に溜め込んだ布から良さそうなのを選んで使いました。何かに使った残り布も最大限利用し、糊をしてアイロンをかけて目一杯広げた生地を前に、パズルのように型紙を置き換えて裁ち合わせ、最小限の端布もくるみボタンとして活用。無駄を無くすってのはこういう事なんだよ、と仕上がったボタンを前ににんまりしました。経済効果は無いけどね。

　色んな種類のキットの中では、このクロバーの製品が使い易く重宝しています。台の素材がプラスティックで軽く、作り方も、一回り大きく断った生地の周囲をぐし縫いしてボタン部をくるみ、糸を絞ってまとめた上から小さい方の留め具をはめるだけと至って簡単。
　素材の性質上、ハードな使い方には耐えられないだろうけど、今まで作ったボタンが洗濯等でも壊れる事無く使えているのをみると、そうヤワな物でもなさそうです。

　今日のような気持ちの良いお天気の日は何をやっても楽しい♪いつもは嫌々片付ける家事一切もスイスイ捗って不平の出る間もありません。
　暖かいんだか肌寒いんだかどちらかはっきりさせてくれよっ！ってな日が続いたしばらく前までの数日は、生きてる事がやっとかっとの青息吐息。まったく見事なお天気屋ぶりだと我ながら呆れます。

　お天気がおかしかった時期、着心地良い服でも買って気分転換を図ろうと数軒の服屋を巡り歩いてみたんですが、驚くことに一着も、あ、これが着たいと思えるような服に出会う事は出来ませんでした。
　さらっとした薄手コットン、乃至はガーゼっぽい生地で、シンプルでゆったりと丈も袖も長めのブラウス、ボタンや装飾がうっとうしくなくて、あっても控えめなステッチまで、フリルは不可、出来れば無地の綺麗な色合いで光沢は×、ガキっぽくもババくさくもない物、と煩いリクエストをクリアしたと思ったら、サイズが大きすぎたり小さすぎたり。
　加えてどれも似たり寄ったりの色(売り場殆ど白・紺・黒)か、流行なのか知らんが虫の好かない柄物、更に申し合わせたようにガバリとだらしなく開いた胸元におぞましささえ感じて、結局購入を断念しました。もー良い！自分で作る。

　そう言えば結構な高齢の方までもが、もうちょっとでポロリしそうなギリギリ危うい大きな襟ぐりの洋服を着ているんですが、大抵は首筋が綺麗じゃないし、万が一の時に見たくない物を見る羽目になるオトコの気持ちを思うと、ご愁傷様なんですけど｡｡｡

　先日ちょっと気分が乗ったので、ずうっと前にGuyらの何かを作った古い余り布を活用し、ちくちく手縫いで猫らの玩具を作りました。
　具がはみ出さないように縫い目は細かく、抱え易いように中心辺りだけちょっと細身にぐるっと縫って裏返し、中綿にマタタビの粉をくるんでは詰めくるんでは詰め、最後に詰め口を閉じたイワユルCatkicker。

　噂には聞いていたけれど、ポンと置いた途端2匹同時に突進してきました。マタタビを入れたので使い始めの取り合いはある程度予想していましたが、日が経って匂いは飛んだろうと思われる今になっても、舐めたり蹴ったり抱え込んだり、飽きずに長い時間遊んでいます。何の機能もないシンプルな玩具の方が、色んな遊び方が出来て楽しいのかも。

　どちらかが使用中は、もう一方が羨ましそうにじと見しながら順番待ちしています。相手が遊び飽きた頃にはヨダレでべちょべちょなのに｡｡｡もう一つ作ってあげるべき？

　パッチワーク用にと溜め込んである布などが入った箱の整理をしていたら、ずっと前から刺しかけになったままの刺繍を発見！うあ、懐かしい。
　集めの木綿地に、図案からおこしたフォークワちっくな花を一杯に散らしたアラベスクをチクチク刺したモノ。太めのベルトを表装するべく作り始めたんでした。
　やー、派手だなぁ、今じゃちょっと気が引ける。

　作り上げるまでしゃかりきになる質だから、こうして中途で放り出した品の方が少ないと思うんですが、もう一つ、こちらは細かいクロスに大輪の薔薇の花を一つ、刺すには刺したまま仕上げていないのがペロリと出たのをみると、そうとばかりは言えない気もします。

　今となっては忘れちゃったけど、何か途中で止めたくなった理由があったんでしょうな、きっと。身に着けるのもアレなので、小さな額にでもしようかしらん。

　長く間隔の開いてしまったチクチクをリハビリしよう、そうだ、手慣らし花布巾でも縫おう、と収納を探すこと暫し。ありました、ずっと前に買ったまましまい込んでおいた刺し子糸。懐かしい〜。
　枷を解いて地味に糸巻きに巻き直しはじめた途端どこからか気配を察した小にゃんがニカニカしながら(そう見えた)現れて、ぽんと膝の上に。

　それからはもう嬉しそうに喉を鳴らしながら糸を噛むやら手を出すやら、あっという間に収集がつかないほどこんがらがり、縺れた糸を解くのに一苦労しました。あーそうだった。コイツはこれが大好きだったんでした。そのために彼が家にやって来てから毛糸もパッチワークも封印してたんでしたっけ。すっかり忘れてた(爆)。

　縫っている最中もいつの間にか傍に来て、手を出したいムズムズをじっと堪えて針と糸の動きを凝視しています。君を刺しちゃわないように、妙に緊張するんですけど。