買えない贅沢
みかんお店で大抵の物は手に入る時代に逆行している様でも、
ある意味病気のような手作り至上主義は治りません。
昨日の記事にしてもきっと、そんなモン買う方が早い。
私が作って悦に入っているのは大概いつもそのテの
代物なんですが、作る工程の楽しさ、それなりに作り
上げた時の達成感、限定品の価値観。<ま、どれも
イワユル自己満足から足を洗えずにいます。

ずっと古い話ですが、デパートで大きなラウンドカラーが可愛いワンピースを購入しました。
デザインが斬新で、万人に似合うとは言い難い服。値段もちょっと思い切った買い物でした。
お休みの日に初めて袖を通し、おめかししてウキウキと新宿の街をぶらぶらしていたら、
前から歩いて来た女の子が全く同じ服を着ていました。鉢合わせでお互い気まずい空気。
そこらで売っているような服なら『あ、同じだ』で済ませるんですが、気合を入れて買った
思い入れの強い服、結構しょげながらも知らん顔で行き過ぎました。
あんなに人の溢れる街で出会ったのも今になって思えば不思議な縁、と笑えますが。

そんな風に人と同じ物がイヤ、と言う理由もあって、ブランド、と名の付くものはことごとく
敬遠するアレルギーです。まして『なんでお宅のロゴを金払って宣伝せにゃあかんのだ?』
というタイプの品物は一つとして持っていません。と言うと曳かれ者の小唄、買えないの?
可愛そうに。とかで終わっちゃう話で、事実そう言う財布の都合もありますけどね。

数年前、初めてのお孫さんに心を込めた手作り品を送られた方の話によると、お嫁さんに
陰で『貧乏ったらしい』とか『ケチ』だとか、散々に言われたそうです。
品物を見ましたけど、どれも真心込めて作られていて、ミシン掛けも手縫い部もしっかりと
した出来の上下服やら、片や可愛らしい色合いのニットやら、とても素敵な品でしたけど、
このお嫁さんがまた大のブランド品崇拝者で、自分だけでなく子供服もブランド品が当然と
思っていたようで、そんな方に手作りの品はさぞ貧しい物と映ったようです。

見え難い目をこすりながら作って下さったであろう細かい編み目のしっかりしたおくるみや、
手間を掛けて綿から仕立てて下さったベビー布団のセットやら、着回して少し痛んだ部分に
可愛らしいアップリケを付けて補修して下さった子供服やら、出産時に随分頂きましたが、
どれも子どもの事を思いながら作って下さったんだろうな、との様子をまた思い浮かべては
既成の品を頂くよりずっと豊かな気持ちになれましたが。人それぞれなんですね。
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| ワタクシゴト::戯言 | 05:21 PM | comments (0) | trackback (0) |
言葉力の低下
お茶の花何日か前にはっかもすさんの所でちらと話題に上った
NHKクローズアップ現代『どうする 若者の“日本語力”』
11月8日に放送されたその番組では、最近の若者の
日本語力低下の現状について語られていたのですが、
番組を見終わってからつらつら考えた事を少しだけ。
そもそも低下する程の日本語力を持ち合わせないので、
的外れ、ピントのずれた視点かもしれませんけど。

日本語力低下は老いも若きも。『一億総低下』(古い。今はも少し多い)みたいなモンで、
何も若者に限りゃしませんが。と、まずタイトルに難癖を付けてみたりして。
我が振り見ても、家じゃ『オレ』やら『○○じゃね?』少なくとも口語については落第点。
本の虫なので辛うじて『読』の部分は胸を張れても、『書』となるとからきし自信なしです。
どうも左利きを矯正されたのではと後になって疑ったほど、小さい頃から下手だった字を
祖母に手をはたかれながらの一日100字練習でどうにか見られる物に押し上げたものの
ここ数年『文字を書く仕事』がキーボード主流になってからは人前では書きたくありません。
それでも相手やTPOをわきまえた会話をしようという心がけと、必要最低限の読解力と、
人前で文字を書かない努力をすれば、大抵の場は問題なくすり抜けられます、多分。

言葉は時代と共に変遷していくもので、事実明治以前の日本語となると殆ど理解不能。
時代の変わり目を生きた人々にすればその時々食い違うものを感じていたと思うけれど、
目くじら立てたところで、結局はその時代を生きる人の言葉にいずれ染まっていきますし。
また地方のカラーがあるのも大いに歓迎できる事で、地方色の強いドラマなどに影響され、
にわか関西弁や、いんちき沖縄言葉、ゆったりと東北訛り、なんてのを楽しめるのも愉快。
要は相手に不快な思いをさせない言葉を使おうとする気持ちが一番大切な日本語力で、
難しい字を読んだり書いたり出来ないとしても、そう憂える事ではないような気もします。
但し、喋りを職業とする人(アナウンサー等)の口から出た言葉となると結構気に障って、
句読点が違うだろ、とかイントネーションが変だよ、とか画面に一人で突っ込みますけどね。

随分前に路上で、通りがかりの車の運転者が発したとんでもない言葉に傷つきました。
『○○遊園地は、どこだっ?』見れば相手は普通のおっさん。助手席には妻(だろうね)、
後部座席には小学校高学年~中学生風の二人の子どもを乗せているのにその聞き方。
どこぞのエライさんで、普段からその言葉遣いなのだとしても、当方お前の部下じゃない。
『○○遊園地』の従業員でもありませんし、不愉快な聞き方に教えて差し上げる気もないし、
大体んなもん、ここから遥か遠くにあって、ちょちょいと説明できる場所でもありません。
黙って聞こえないふりをし知らん顔で歩いていたら、止めに『なんだ、馬鹿か!』と捨て台詞。
お前が馬鹿だよ!…いや、気が弱いから口に出しゃしませんでしたけど。。。笑っちゃった。
あれが父親だと、子どもたちに口の利き方を躾る事は到底出来ないでしょうし、数年経った今
『おやぢぃ、うっせーんだよぉ』とか言われても注意は出来ないんじゃないでしょうかねぇ。
人様んちの事で関係ないっちゃ関係ないんですが。
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| ワタクシゴト::戯言 | 03:40 PM | comments (2) | trackback (0) |
みんな違って良いの!
道端の花壇タイトルはご存知、金子みすずの詩、
私と小鳥と鈴との、おしまいの部分から拝借。

とある小学校のとあるクラスで数年前、
教室内のいじめ問題を解消しようと組まれた特別授業。
その時テキストとして配られたのが、この詩でした。
みんなで読んで、考えて、多くの意見が出たそうです。

担任教師によると授業を受けた子どもたちは口々に『他人の個性を大切にしたい』とか、
『友だちと自分の相違点を受け入れて行きたい』と目を輝かして語ったそうです。
翌日にはもう元に戻って、一部の児童によるいじめは再開されていましたが。

TVで流されたあるアンケート結果で、いじめに対する子どもたちの回答は
トップが『いじめはなくならない』、2位が『いじめられる子の性格を直す』だったそうです。
口を開いたら収拾つかなくなりそうなので、今日はこれだけ。

いじめに勝てだの負けるなだの、
心や体に傷を受けて苦しんでいる側の人間に
それ以上のことを要求するな、と。
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| ワタクシゴト::戯言 | 11:50 PM | comments (0) | trackback (0) |
どっどど どどうど
カリン止まない風の音を聞くうちに、心までモシャラモシャラと
上下左右にかき混ぜられた気分になってきました。
喉に引っかかった小骨のような、普段なら気にもならない
ほんのほんの些細な苛立ちが全体に回ったようです。

苛立ちの原因は先日の友人との会話にみつかりました。
彼女とはママ友時代から続く、息の長い付き合いです。

何気ない会話の中で発した言葉に、彼女が軽く反応した『前世が○○だったんじゃない?』
『また前世かい!そんなのないない、死んじゃったらお終い』なんて言葉がつい口から出て。
笑っていた彼女の目が一瞬だけ冷たくなり『可哀想な人だねー』って風に見られた感じ。
O槻教授じゃあるまいし、そういう事柄を一切受け付けないなんて体質じゃないんです。
ううん、むしろずっとずっと昔から、そちら関係の話には興味を持っているクチです。

過剰な拒否反応は、彼女が発する、私とは相容れない何かの宗教の雰囲気のせい。
たくさんの問題を抱えながら懸命に前向きに努力しているのを良く判っているつもりだし、
信教の自由を妨げるつもりはさらさらなく、本人が納得済みならそれで良いと思っていても、
彼女に霊的な話を持ち出されると、『絶対に誘わないでね』と昔交わした約束事に、
ピシッとひびが入るようで、ついつい体か固まって防衛の姿勢をとってしまいます。
彼女と話す度、自分は狭い了見の人間なのだな、と切なく痛く思い知らされます。
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| ワタクシゴト::戯言 | 06:26 PM | comments (0) | trackback (0) |
猫又への道
ぷにぷにおくやまに ねこまたといふものありて ひとをくふなる
徒然草第八九段です。食われちゃヤだけどさぁ…。

年経て人語を理解し、人語を話すようになるらしい。
猫と会話ができるなんてニャンリンガルかいっ!
面白そうだけど、きっとクレームどっさりなんだろうな。
可愛い~♪なんて浮かれてばかりいられない、きっと。

『飲み水に餌のかすが浮いているぢゃないか、さっさと綺麗なのに変えとくれ』
『トイレの掃除が行き届いておらん。その隅っこにあるのも残さず拾って拾って』
『最近、食事のグレ~ドが落ちておるゾ。わし新鮮なマグロや海老キボンヌ』
…うゎ、ヤだヤだ。想像したらさむくなっちゃった。

引き戸と網戸を根気良く開け、勝手にベランダに出て日向ぼっこする。
お風呂の折り戸を開けて床の残り水を舐め、風呂蓋の上でまったりくつろぐ。
各室のドアノブに飛び付いて傷だらけにし、ドアを開けて室内に侵入する。
侵入した挙句布団の上に飛び乗ったり、寝ている耳元でグルグルを聞かせる。
茶箪笥を開けて食べ物を強奪する。シンク下を開けて中に入って探索する。
ね、それくらいできればもう充分だから。君ってそこそこ立派な猫又だよ。

過去に飼っていた猫の中に、鍵を見せると『いっにぇにゃっにゃい』って言うのやら
庭の小鳥に攻撃態勢をとって進軍ラッパの音程とリズムで鳴いたのがいたけど。。。
うん、多分あれも気のせい、気のせい。
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| ワタクシゴト::戯言 | 10:14 PM | comments (0) | trackback (0) |
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