インターネットにも少し慣れてきた頃、チャットに興味を惹かれました。
顔も、素性も、声すら判らない相手と、リアルタイムで話せるってすごいじゃない?
遠くに住む方とお友だちになれるなんて、なんだかと~っても面白そーって。
でもね、噂によるとチャット三昧な皆様方っちゅうのは、
そりゃあもう、目にも留まらぬ速さでキーボードをパチャパチャなさると言うし、
長い年月のブランクをようやく埋めかけているタッチタイピングも覚束ない輩が
「ハジメマシテ~」なんて入っていった所で、壁の花どころかオミソ扱いでしょ?
放って置かれるならまだしも、ジャマ!っていぢめられたら立ち直れないかも。
スピードは遅くてもどうにか会話についていける程度に練習できる所はないかしら?
などと考えていた矢先に、ふと目に留まったプロバイダーの「初心者用」チャット。
えっとナニナニ?チャット初心者さん同士で、会話の練習が出来ます、か。
これならσ( ̄ー ̄ )も仲間に入れてもらえるかも知れないぞ♪
平日の昼間だし、同じような初心者なお主婦に会えてお友だちになれるかも。
なんぞと能天気なテンションで。。。ポチッとボタンクリック!
心の準備もまだなのに、いきなり「○○入室しました」と画面に表示される。
「何で私だって判ったのさ?」仕組みも理解出来ず、何をどうすれば良いの?
驚いた心をゆっくり落ち着ける暇も無いほんの一瞬後、奇襲攻撃が始まった。
「よーこそ、○○」「オレ、△△、19、男、※※作業員、そっちは?」
モニター画面にハイスピードで文字が躍り、読むだけで必死。
頭真っ白、心臓バクバク、半狂乱、パニクリまくりで泣きそうになる。
キーボードの指がやっと動いて、打てたのは「間違えました、ごめんなさい」
何にも見なかった事にして、スゴスゴと初心者チャットルームを去りました。
その晩のこと…何時になっても目が冴えて眠れたもんじゃない。
なんでよ?初心者用チャットに、あんなに早く打てる人が居るのはナゼ?
出会い系じゃないのよ、初心者用って書いてあったから試しに入ったのに。
先方の青年、天気のいい平日の昼間に、仕事はどうしたんだろう。
地方から出てきて都会暮らしに疲れて、誰かと話がしたかったんだろうか。
丸ごと信じきっている所がまさに初心者たる所以なのだけれど、
勝手に青年の人生まで推測しまくって、堂々巡り。涙まで出てきた。
翌朝、同居人氏に眠れない夜の話をしたら、実にすっきり片付けてくれた。
「そんなことが気になる人は、チャットやらない方がいいんじゃない?」
ごもっとも!そうだよ。チャットが出来なきゃこの先困るってもんじゃなし。
開始早々の私のチャット体験はあっという間に終了。
ネット上でお主婦のお友だちを作る…は、何か別の方法を考えましょ。